最終回 私メッセージ・スキルからみた「そのまま」の自分(5/7)
私たちが奥にある感情に繋がるためには、原因とか理由を探す方向に行くのではなく、むしろ、スッキリしないと言う感覚をどんな感じで表現できるのか探してみるのがいいように思います。表現は「温度」でもいいし、「色」でもいいし、「イメージ」でも「動き」でもいいです。そうやって、表現を探して自己内対話をする必要がとてもあるのです。
スッキリしないと言う気持ちが出てきたら、それが何か眺めてみます。例えば、「赤黒い色」という感じが浮かんでくるかもしれません。それが出てきたら、その「赤黒い色」のエネルギーにもう少し留まり続けます。眺め続けます。そうすると「それが煙のようだ」とか「怒りの色だ」「悲しみの色だ」「嫌な感じ」とかみたいにみえてきて、「ああ、怒っているんだ」と気づくこともあります。こうした過程を経て始めて「自分の感情は怒っているんだ」と気づけることもあるのです。
私たちは、よく、自分の気持ちや自分の中で起きていることを語らずに「改善を要求する」とか「よそよそしく他人事のように説明する」とかするので、聞かされた方は親密さを感じないし、突き放されたような感覚を受け取ってしまいます。そうすると、関係がギクシャクしがちになります。だからこそ、特に親密な関係になりたい人に対しては、気持ちを表現することがとても大事になります。
(A「相手のどの行動が、あなたに問題をかかえさせているのか」説明する) ここでは相手のどの行動が、私たちを困らせているか言うだけです。その相手の行動を評価したり判断したりしません。
「夫が、私の話を中断する」
「私のこどもが、学校から帰ってこないし、電話もしてこない」
「同僚が、私に関連のあることを相談もしないで決める」
(B「その行動があなたにどのような影響を与えているか」説明する)
ここでは、相手の行動によって私たちに「何が起きるのか」について説明します。私たちにどんなふうに影響してくるのか。つたえるのです。
「惨めな、ないがしろにされたような感じがしてくる」
「私はダメな人だといわれているような気がしてくる」
「気になって仕事に集中できなくなってくる」
(3つの要素を合わせて語る)
この3つを使って語ってみると、次のような文章になります。
「あなたが電話をかけていると、イライラして困る。なぜなら、気になって仕事に集中できなくなってくるから」
「あなたが私の言葉をさえぎると、悲しくなってくる。なんだか、私のことなんてどうでもいいと言われているみたいな気がするから」
「あなたが貸したお金を約束通りに返してくれなくて、困っている。他に使いたいと思って、返ってくるのをあてにしているから」
「あなたが怒鳴ると、とても虚しくなる。なぜなら、私はダメなやつだと言われているみたいに思えてくるから」