最終回 私メッセージ・スキルからみた「そのまま」の自分(4/7)

そこで、これまでの3つよりも強い私メッセージを送る必要が生じてきます。この「対決の私メッセージ」は私たちの否定的な感情と、どの欲求が妨げられているのかをはっきりさせて、私たちの欲求が満たされる方向へと状況を変えることを目標とする私メッセージです。 この対決の私メッセージは3部構成になり、次の要素が含んでいる必要があります。

@あなたの感情
A相手のどの行動が、あなたに問題をかかえさせているのか。(外側の区域)
Bその行動があなたにどのような影響を与えているか。(その行動によって、あなたの中で何が起きるのか)

(@「あなたの感情」を表現する) 自分の感情をきちんと見定めて、正直なありのままの感情を表現することが大切です。対決しようとしているときに、感じる感情は「怒り」が多いでしょう。しかし、怒りとは、こころの奥底の要求を反映する別の感情の結果生じるものであることが多いのです。 怒りは抑えたり、間接的に表現したりすると、率直に表現する時以上にお互いの関係を損なう結果になることが多いものです。なので、怒りに対して、対処法を学ぶことが大事になってきます。そのためには、次のことがとても重要になります。

・怒りの感情を認め、受け入れる。
・怒りを感じることを自分に許す。
・大切な人間関係を損なわないような方法で、怒りを表現することを学ぶ。
・怒りの源となっているこころの奥の感情にもっと触れるように努める。

その「腹が立つ」気持ちの奥には「恐れ」や「不安」「困り感」「悲しみ」「寂しさ」などなど色々な感情があることでしょう。できるだけそうした奥の気持ちを表現してみます。

「私は本当にがっかりしました」
「私は心配です」
「私は困ります」
「私は寂しい」
「私は悲しい」

とは言っても、私たち発達障害を持つ人たちは、自分の気持ちに繋がるのが苦手な人が多いのです。何かは感じているけれども、気持ちを言語化することが苦手なのです。気持ちの言葉より「理屈に合わない」などの事柄に関する言葉や、がんばって言っても「スッキリしない」などの言葉となって表現されることがよく見られます。気持ちより、状況説明やことの筋道を説明しようとしたり、そうしたことにこだわってしまう人が多くみられます。「あなたメッセージ」でもなく「それメッセージ(ITメッセージ)」、つまり、「誰が間違っている」とも言わずに、「それは〜なのでおかしいと思う」とか「理屈(システム)に合っていない」という発言もよく聞きます。

プロフィール

あらきまさし (まぁ。)

高機能広汎性発達障害の当事者。
1994年立命館大学法学部卒業。2001年10月から心理カウンセリングのトレーニングを始める。その頃から心身体験型のワークに出会い、特にゲシュタルトセラピー、フォーカシング、ブレスワーク、心身統合心理療法(ボディサイコセラピー)などを取り入れて学ぶ。
その後、京都府内の精神保健福祉センターにてボディワーク講師のアシスタントを務めたり、KNCにてファシリテーター研修を開始。エンカウンターグループDOの世話人を務めている。
2010年11月に高機能広汎性発達障害の確定診断が降りる。2011年から発達障害当事者グループ「グループそのまま」を主催。
2012年現在は、アルバイト等をしながら、心理カウンセリングやグループワークを行っている。
「珈琲や生クリーム、プリン、豆腐などをこよなく愛してます。けっこう、へろへろしながら自分にできそうなことを行ってます。これからもよろしくです^^」
ブログ
ブログ 発達障害でもなりたいものになれるさ
当事者会
発達障害当事者グループ グループそのまま
ワークショップ
ワークス SHISAMA
協力:宮崎礼子
心と関係性の相談室「RE」
inserted by FC2 system