最終回 私メッセージ・スキルからみた「そのまま」の自分(6/7)

先ほどのBさんの例で書くと、こうなります。
「私はバンと大きな音を立てられると、とても怖くなってしまいます。なぜなら、その大きな音で責められているような感じがしてくるからです」
このように自分のことを語ろうと思えば、まず、自分のことに気づかなけばなりません。自分を知ることなしに自己表現はできないからです。

ここでも、相手が受けとめてくれる場合はいいのですが、反発してくる場合もあります。その場合は、相手の話を受けとめる必要があるかもしれません。自分と同じように相手も大事な存在です。相手の話もしっかりと聴いてあげるようにします。

おわりに

「そのまま」であること

自分らしくイキイキと生きて行くには、「そのまま」の自分にまずは気づき、そして受け入れて、自己を表現していくことです。障害の問題においても、「防衛的な性格」を取り除くにも、対人関係を改善するにも、自己表現においても、すべての出発地点は、そんなさまざまな特徴を持った「そのまま」の自分に気づくことです。

そして気づいたら「こんな特徴があるんだなぁ。今の自分はそれが当たり前なんだなぁ」と自分の特徴を受け入れます。そして、「そのまま」の自分の気持ちに気づくことも大事です。そして、気持ちに気づいたら「そんなふうに自分は今ここで、感じているんだなぁ」と自分を受け入れます。

気づいた自分を変える必要はありません。「そのまま」の自分はすでに素敵な存在です。今までコメントしたように、私たちには色々な特徴があります。それによって不便だったり困ったり誤解されたりすることもあります。でも反対に素敵なところだってあります。そういう自分を受け入れます。

プロフィール

あらきまさし (まぁ。)

高機能広汎性発達障害の当事者。
1994年立命館大学法学部卒業。2001年10月から心理カウンセリングのトレーニングを始める。その頃から心身体験型のワークに出会い、特にゲシュタルトセラピー、フォーカシング、ブレスワーク、心身統合心理療法(ボディサイコセラピー)などを取り入れて学ぶ。
その後、京都府内の精神保健福祉センターにてボディワーク講師のアシスタントを務めたり、KNCにてファシリテーター研修を開始。エンカウンターグループDOの世話人を務めている。
2010年11月に高機能広汎性発達障害の確定診断が降りる。2011年から発達障害当事者グループ「グループそのまま」を主催。
2012年現在は、アルバイト等をしながら、心理カウンセリングやグループワークを行っている。
「珈琲や生クリーム、プリン、豆腐などをこよなく愛してます。けっこう、へろへろしながら自分にできそうなことを行ってます。これからもよろしくです^^」
ブログ
ブログ 発達障害でもなりたいものになれるさ
当事者会
発達障害当事者グループ グループそのまま
ワークショップ
ワークス SHISAMA
協力:宮崎礼子
心と関係性の相談室「RE」
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