第6回 読みやすい書体、読みにくい書体(3/3)

さてこの中で、特に注目していただきたいのは、「明朝体」「ゴシック体」「丸ゴシック体」の3種類。 今は それぞれに「細明朝」「中明朝」「太明朝」など、太さのバリエーションも増えてきましたが、いつの頃からか、日本も横組みの文章が増えてきました。 ネット世界等は、ほとんど、横組みの文章だけですよね。

しか〜し!
明朝体というのは、本来は、縦組み文章のためのもの。
横組みにすると、微妙に読みにくいんです。読みに困難のあるLD系の人は、ただでさえ文字が読みづらいのに、明朝体にされると、さらに読みづらくなり、目が疲れます。
私個人としましては、「横組みの文章にするなら潔くゴシック体か丸ゴシック体にしましょうよ!」って思うんですが、意外と皆様、深く考えずに書体を決めておられる… 確かに明朝の方が、筆文字に近いので、丁寧さや上品さはあります。でも、ホントは、読みにくいんですよ…
LDの方の見え方も、人それぞれで、一概には言えませんが、私は書類は、明朝体を丸ゴシック体に変えていただくだけで、とても読みやすくなります。
ネット上の画面の場合、ドットが荒いので、小さな文字なら、丸ゴシックよりも、ゴシックの方が読みやすい事もあります。この辺りを知ったうえで 文章を打ってくださると嬉しいなあ〜。

次回は、書体説明の延長で、LDの方の見え方について、もう少し具体的にお話いたします。

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プロフィール

くすのきゆり
兵庫県出身。兵庫県在住。
デザイン専門学校在学中に二科展入選。
専門学校卒業後は、イラストレーター、グラフィックデザイナーとして、デザイン事務所、広告代理店制作部に勤務。
本や教材の挿絵、ポスター、雑誌の表紙、イラスト、ロゴマーク作成、パンフレット、チラシなどグラフィックデザイン全般を手掛ける。
結婚、出産で いったん現場を退くものの、現在は、発達障害の啓発活動の傍ら、フリーのイラストレーター兼グラフィックデザイナーとしてとして活動中。
色鉛筆画が得意。
LDの人にも読みやすいグラフィックデザインを心がけています。
プライベートでは 二人の子どもの発達障害の診断までの過程で、私自身もその
傾向が強い事に気づく。
心療内科にて「物忘れ・衝動性・不注意は薬の副作用やうつ病の症状ではなく、
持って生まれた特性でしょう。脳のほんの少しの機能障害です」と言われるもの
の、専門病院での診断は受けていない。
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