第6回 読みやすい書体、読みにくい書体(2/3)
「明朝体」というのは、筆文字を印刷用にシンプルにデザインし直した文字です。横は細く、縦は太い文字です。 おまけに「打ち込み」部分は小さいながらも斜めにカットされていて、「止め」も部分は、小さな山が付いております。
皆様、図工や美術で、レタリングされたのを思い出されたかもしれませんね。
しかし 何もかもが明朝だと 非常に文面が ベッタリとしたイメージになってしまいます。筆の様に文字の太さや大きさの調節も出来ないわけですからね。
ちなみにこの頃は、明朝体は、縦組みしか無かったんですよ。だって、もともと、日本語は、縦組みの文化なんですもの。
そこでメリハリをつけるため、題字(タイトル)には ゴシック体というものが使われるようになりました。 これは、目立つことを目的としているので、
明朝と違って 縦も横も同じ太さです。
ちなみに 当時は、新聞のタイトル文字って、 横に組む時は、「右から左へ」だったんですよ。 私が生まれた時には 右から左へ文字が組まれているのって、老舗のお店の看板やトラックの側面に書きこまれたペイントくらいでしたが。
現在では、もう、ほとんど見かけませんよね!
書体でもう一つ大切なのが「丸ゴシック」。
これは、思春期の女の子が書く可愛い「まる文字」ではありません。ゴシック体の角を丸くしたものです。
鉄道の駅の看板やバスの停留所の看板は、丸ゴシックを使っていることが多いです。
何故、丸ゴシックが好まれるかと言いますと、老若男女を問わず、目に優しい文字だからです。 電車に乗っていても「あ、今、〇〇駅だ」と、一瞬で見えやすいのは、この丸ゴシックだといわれています。
上で説明した書体を 実際に横組みで打ち込んでみました。