第6回 読みやすい書体、読みにくい書体(2/3)

「明朝体」というのは、筆文字を印刷用にシンプルにデザインし直した文字です。横は細く、縦は太い文字です。 おまけに「打ち込み」部分は小さいながらも斜めにカットされていて、「止め」も部分は、小さな山が付いております。
皆様、図工や美術で、レタリングされたのを思い出されたかもしれませんね。
しかし 何もかもが明朝だと 非常に文面が ベッタリとしたイメージになってしまいます。筆の様に文字の太さや大きさの調節も出来ないわけですからね。
ちなみにこの頃は、明朝体は、縦組みしか無かったんですよ。だって、もともと、日本語は、縦組みの文化なんですもの。

そこでメリハリをつけるため、題字(タイトル)には ゴシック体というものが使われるようになりました。 これは、目立つことを目的としているので、 明朝と違って 縦も横も同じ太さです。
ちなみに 当時は、新聞のタイトル文字って、 横に組む時は、「右から左へ」だったんですよ。 私が生まれた時には 右から左へ文字が組まれているのって、老舗のお店の看板やトラックの側面に書きこまれたペイントくらいでしたが。 現在では、もう、ほとんど見かけませんよね!

書体でもう一つ大切なのが「丸ゴシック」。
これは、思春期の女の子が書く可愛い「まる文字」ではありません。ゴシック体の角を丸くしたものです。
鉄道の駅の看板やバスの停留所の看板は、丸ゴシックを使っていることが多いです。
何故、丸ゴシックが好まれるかと言いますと、老若男女を問わず、目に優しい文字だからです。 電車に乗っていても「あ、今、〇〇駅だ」と、一瞬で見えやすいのは、この丸ゴシックだといわれています。

上で説明した書体を 実際に横組みで打ち込んでみました。

プロフィール

くすのきゆり
兵庫県出身。兵庫県在住。
デザイン専門学校在学中に二科展入選。
専門学校卒業後は、イラストレーター、グラフィックデザイナーとして、デザイン事務所、広告代理店制作部に勤務。
本や教材の挿絵、ポスター、雑誌の表紙、イラスト、ロゴマーク作成、パンフレット、チラシなどグラフィックデザイン全般を手掛ける。
結婚、出産で いったん現場を退くものの、現在は、発達障害の啓発活動の傍ら、フリーのイラストレーター兼グラフィックデザイナーとしてとして活動中。
色鉛筆画が得意。
LDの人にも読みやすいグラフィックデザインを心がけています。
プライベートでは 二人の子どもの発達障害の診断までの過程で、私自身もその
傾向が強い事に気づく。
心療内科にて「物忘れ・衝動性・不注意は薬の副作用やうつ病の症状ではなく、
持って生まれた特性でしょう。脳のほんの少しの機能障害です」と言われるもの
の、専門病院での診断は受けていない。
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