ITパラリンピック2013 [前編] (2/4)

各種コミュニケーション支援機器展示

ITパリンピックでは,コミュニケーション支援機器業者による展示にも力を入れています。今回も沢山の機器が集まりました。視線入力装置だけでも2社,その他各種スイッチの数々を展示しました。これらだけでも,普通は一同に体験することはできませんので,参加者にとっては貴重な場となったと思います。


当日の配布資料(※クリックで拡大画像が開きます。)

当日の配布資料(※クリックで拡大画像が開きます。)

HALスイッチ

“HAL”(ハル)というのは,筑波大学とサイバーダイン社が開発したロボットスーツです。簡単にいえば,人体表面から生体電位信号を検出して関節の動きを物理的にサポートする機械。歩く動作や重いものを持ち上げる動作に効果的で,筋力が弱っている場合でもHALの力で動作を自然にサポートするのです。ちなみに,“自然に”というのが極めて重要です。生体電位信号は一種の暗号情報であるため,検出しても解読がきちんとできないと動作のサポートには使えません。解読に失敗するとギクシャクした動きになってしまい使い物になりません。つまり,HALの技術のキモとしては,この生体電位信号を精度よく検出して上手に処理(解読)することに尽きます。その結果,モーターを駆動して人体の動きを自然にサポートするのです。なお,ロボットスーツHALについては,こちらに詳しい紹介があります。

では,「HALスイッチ」とは何かといいますと,HALの生体電位信号処理技術をいわゆるスイッチとして使ったものです。重度障害者が利用する意思伝達装置等のスイッチの代わりに使ってしまうのです。

新潟病院の中島先生による医療用HALの説明

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