ITパラリンピック2013 [前編] (1/4)

福祉技術コラムでおなじみの一橋大学 伊藤先生から届いた、ITパラリンピック2013の様子を前編・後編に分けてお送りします!

ITパラリンピックとは


ITパラリンピック2013のポスター
(※クリックすると拡大画像が開きます。)

2013年3月24日に,一橋大学一橋講堂にて「ITパラリンピック2013」が行われました。主催はNPO法人ICT救助隊と一橋大学,協賛はNECです。

このITパラリンピックは,今年で4回目になる集まりです。2009年にALS(※1)等の重度障害者のコンピュータ利用によるコミュニケーション環境を,障害者(患者)自身が自慢する大会としてひっそりと始まりました。重度障害者のIT環境というのは実に様々で,一般的な事務用途のパソコンと違い,いろいろな入力機器やソフトウェアが独自の組み合わせで使われています。それらをどのように使っているかを具体的に紹介する場はこれまでほとんどありませんでした。第1回の模様はこちらでご覧いただけます。

主催のICT救助隊は,主にALS患者のコミュニケーション支援を行なっており,名前から分かるように特に,コンピュータによる支援を中心に行なっている団体です。私も所属しております。

今大会の特徴

まず,今大会の目玉は何と言っても「HALスイッチ」の実演でしょう。午前中は,医療用モデルHALの治験事業研究代表者である中島孝副院長(新潟病院)のご講演。その後,サイバーダイン社の新宮正弘氏のHALについての説明がありました。

午後は,ワンスイッチを使った「太鼓の達人大会」。重度障害者でもゲームで遊びたい気持ちは同じです。「太鼓の達人」なら動きは単純なのでワンスイッチでも遊べそうということで企画が立ち上がりました。バチを叩く動作は物理的に叩く方が遊ぶ人も見ている人も面白いので,モーターなどを使ってワンスイッチでバチを叩く動作を実現しました。ゲームの参加者は重度障害者の人たちです。私は当日のプレゼン環境設営と“太鼓の達人大会”を担当しました。

*ICT救助隊理事長のあいさつ


※1:ALS…筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう、amyotrophic lateral sclerosis、通称ALS)は、重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患で、運動ニューロン病の一種。極めて進行が速く、半数ほどが発症後3年から5年で呼吸筋麻痺により死亡する(人工呼吸器の装着による延命は可能)。治癒のための有効な治療法は確立されていない。(wikipedia-筋萎縮性側索硬化症より)

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