第4回 広告代理店時代 新人の頃 (2/2)

制作部に初出勤の前に、会社の専務さんから、
「今の制作部な、印刷屋の営業が来てもな、誰も挨拶せえへんらしいんやわ。雰囲気が暗いいうんかなあ。そやからな、くすのきさん。とりあえず、制作部を明るくしてくれ」
 私は、デザイナーとしてよりも、まずは、ムードメーカーとしての 手腕を期待されている訳ですね〜〜!それなら、ちょっとはお力になれるかもです!!元気と、愛想だけは、自信あり!
 私は、制作部のドアから一番近い場所で「挨拶係」となりました。制作部に入ってみて分かったのは、とにかく皆さん物静かな女性ばかり。確かに、社内の営業マンであろうと、取引先の営業マンであろうと、殆ど無反応………
私語ほとんど無し………
報告、連絡、相談、ほとんどなし………

 仕事内容は、工務店・不動産関係と美容関係のチラシデザイン。
不動産関係では、趣味で見ていた間取りをトレースしまくる日々でした(笑) 間取りかくのは、楽しかったなあ〜。
 ここの広告代理店の仕事は、デザイン事務所とは 全く、仕事内容が違いました。デザイン力を追求されるというよりは 前回の原稿の一部直しが多かったので、キャリアの無い私にもこなせる内容でした。
ただ、数が多い〜〜!残業が多い〜!
「新人は スピードがない分 誰よりも遅くまで頑張るべし。これも修行!」
という上司のお言葉通り、月に残業が100時間超えることも。

 制作部の人たちも 個性的な方が多かったですよ〜。ものすごく出入りの激しい制作部だったので 本当に短期間で、色々な方と出会いました。

  • こどもの頃に「軽い自閉症」と診断された先輩。
  • アートメイクをしてる男性。
  • 定時になると 周りを気にせず「お先です」と帰ってしまう女性。
  • コーヒーは、カップ1杯のお湯に対して、インスタントコーヒーを「2粒だけ」な女性。
  • 一冬 同じ服を通す男性。
  • 呪いのゴム人形と針を貸してくださる先輩。
    (呪いの人形は 丁重にお断りしました<(_ _)>)

 今となってみると、ネイティブの方だったのかなあと思われる方も多く、「世の中には、色んな方がいるのねえ〜〜」と勉強になった職場でした。

 この職場で チラシの仕事を担当するようになって、私は自分の「色に対するこだわり」に気が付きます。その辺りは 次回で♪

プロフィール

くすのきゆり
兵庫県出身。兵庫県在住。
デザイン専門学校在学中に二科展入選。
専門学校卒業後は、イラストレーター、グラフィックデザイナーとして、デザイン事務所、広告代理店制作部に勤務。
本や教材の挿絵、ポスター、雑誌の表紙、イラスト、ロゴマーク作成、パンフレット、チラシなどグラフィックデザイン全般を手掛ける。
結婚、出産で いったん現場を退くものの、現在は、発達障害の啓発活動の傍ら、フリーのイラストレーター兼グラフィックデザイナーとしてとして活動中。
色鉛筆画が得意。
LDの人にも読みやすいグラフィックデザインを心がけています。
プライベートでは 二人の子どもの発達障害の診断までの過程で、私自身もその
傾向が強い事に気づく。
心療内科にて「物忘れ・衝動性・不注意は薬の副作用やうつ病の症状ではなく、
持って生まれた特性でしょう。脳のほんの少しの機能障害です」と言われるもの
の、専門病院での診断は受けていない。
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