フワリちゃんの絵本『アスペルガーの心(1)(2)』 (1/3)

特集PickUpでは、発達障害に関するさまざまな取り組みやネイティブ(当事者)の活動を紹介しています。

今回は、IBBY(国際児童図書評議会)の2013年度の世界のバリアフリー図書に選ばれた絵本
アスペルガーの心(1) -わたしもパズルのひとかけら-
アスペルガーの心(2) -パニック ダイジテン-
のご紹介です。

9歳の誕生日の2日前に、アスペルガー症候群の告知を受けたフワリちゃん。小学生の頃に描いたかわいい絵と感性豊かな言葉でつづられた「アスペルガーの心」には、アスペルガー症候群を理解するためのヒントがたくさん詰まっています。

フワリちゃんって、どんな人ですか?

好きな言葉は『へん』 嫌いな言葉は 『普通』好きな芸能人は『AKB48』

なるほど!『へん』が好きで『普通』が嫌いって、私と同じですね(笑)
発達障害の人は、子供のころから、「普通」って言葉に苦しめられるんですよね…。きっと、この記事を読んでいるネイティブ(当事者)の人の中にも、「うんうん!私もだよー!」って人いるんじゃないかな。
好きな芸能人がAKB48って言うのは、今どきの女の子ですねー♪
(ああ、こんなことを言ってしまう私って、おばちゃんだわ…。)


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著書「アスペルガーの心(1) わたしもパズルのひとかけら」は、小学校4年生の時に描いた作品だそうですね。
-「アスペルガー症候群には心がない」という人がいますが、アスペルガー症候群には心があります。(P30)-
という文章がとても心に沁みました。
フワリちゃんはこの本にどんな気持ちを込めましたか?

この本を読んで、たくさんの人に笑顔になってもらいたいです。

きっと、たくさんの人が笑顔になると思います。私もフワリちゃんの絵本を読んで、
「そう!そうなんよ!私は、それが伝えたいけど、伝えられなくて困ってたんだ!」
って、改めて自分が「何に困っていたのか」を発見できました。

発達障害の人の困りごとの多くが、本人も「何に困っているのか」「何が嫌なのか」ってことを言葉にして表せないことだったりします。だから、フワリちゃんの絵本には、「あ、私は、これが言いたかったんだ!」ってことが、優しい言葉で綴られているので、読んでていて気持ちが明るくなってきます。


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著書「アスペルガーの心(2) パニックダイジテン」は、とてもわかりやすくパニックの種類と対処法をまとめられているなぁと思いました。
今、普段の生活で、フワリちゃんが工夫していることがあれば、教えていただけますか?

私の場合、パニックになりそうな時はトイレに行って落ち着いています。

やはり発達障害の人にとって「パニック」の対処って、一番大切ですよね。
実は、私を含め、大人になってから発達障害の診断を受けた人の場合、なかなか自分がパニックになる前に気づくことすらできなかったりします。常に自分の気持ちの変化を意識しておくことで「あ、パニックになりそうだ」って感じ取れるようになるんですよね。
フワリちゃんの場合は、小さなころから「パニック」に対してキチンとした意識付けをして対応してきたことで、今では、パニックになりそうな気配を感じとって避難できるようになったのでしょうね。

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