第1回 「支援」って何だ?(1/2)

「支援」という言葉がこれほど巷であふれるようになって、何ともやな感じがするのは私だけかなぁ〜?
かく言う私も「支援者」という立場でこれから連載しようとしているのですが・・・

「障害者自立支援法」「発達障害者支援法」「特別支援学級に特別支援学校」「相談支援員」「就労支援」等々。
つい最近大阪維新の会なる人たちが「家庭教育支援条例(案)」なるものを出し、物議をかもしましたね。
結果は、地元の人たちを中心に多くの方の抗議があって白紙撤回されたとか。
でも、話によれば、「別の県で検討している案を出しただけです」って!!
おいおい、その「県」いったいどこよ!
もうここまで来ると「支援」という言葉を使って何かを表現するのなんか嫌になってしまう!

そんな事言う私も『良い支援?〜知的障害/自閉の人たちの自立生活と支援〜』(生活書院)という本を4人の仲間と出したりして…(さりげなく宣伝ゴメンナサイ)
でもね、でもね!
「良い支援」の後にちゃんと「?」をつけているんですよ。
「支援」という言葉が使われだして幾年。私たちがどこか自明の事として語っている事に疑問を持つ仲間たちが集まって書いたんです〜。
本のタイトルを口にする時「?」は音にならないので、「良い支援クレスチョンマークという本です」と紹介するまどろっこしさをあえて持ちつつ、書いた4人は今なお「支援」というものを自明の事にしないで、それぞれの場で取り組んでいます。

そんな私が支援者としてこのコラムを担当させていただくのって、どういう事??

とりあえず、先に結論を言っておきます。(という事は、読みたくなければ読まなくてもいいですよって事)
私は専門家ではないですが、長年目の前にいる人たちと付き合ってきました。そして、その中には、「知的障害」とか「発達障害」とか「自閉症」という冠をつけられている人たちもいます。
保育園時代は一緒に過ごしていた子ども達が、年齢を重ねるごとにどんどん自分の場からいなくなってしまう。ある子は養護学校へ(今でいう所の特別支援学校)。ある子は「福祉が進んでいる(という)」所へ。ある子は入所施設へ。ある子は精神科の病院へと。そして、中には刑務所へという人も・・・。 その人たちには「障害」というものがあって、常に「障害」を理由にどこかにいなくなってしまう。そんな風にいなくなってしまうのがとっっっっても、嫌なんですよね〜。だから、そうならないために何をするか。それを「支援」と称してあれこれ取り組んできたわけです。

なので、「支援」って決して前にあるものではなく、私たちに担ってきたものを「支援」と称しているだけなんです。
でも、鎮座ましました「支援」が幅を利かせ、それにはまらないとはまらない奴が悪いって言われたり…

プロフィール

岩ちゃん
(「岩ちゃん」さんとは言わないでね)

年齢:1963年 大阪産
現在:東京都在住
仕事:たこの木クラブ代表

たこの木クラブって何?
東京の端っこの方で活動しているちっちゃな市民団体です。1987年に誕生しました。

「地域でともに生きる」事をめざし、発足当初は「子ども達どうしの関係づくり」をテーマに、出会いの場としての子ども会や子ども達の日常である学校にこだわり活動してきました。
2000年あたりからは、障がい故に取り残されていく子ども達(青年たち)の課題として、進学・就労・自立生活といった様々な場面での支援を担っています。

「支援者」と言えば聞こえは良いのですが、「知的」とか「発達」といった障害名や専門性に疎く、長年付き合ってきた子ども達のほとんどが実は「自閉症」という領域にいる人たちである事を最近になって知ったほどです。
又、重度と呼ばれる人たちが多いため「自閉症」という人は皆、療育手帳が取れるものと思っていたまったくのど素人です。
でも、専門的な事はまったくわかりませんが、目の前にいる人たちと向き合い、今そして将来に渡り「誰もが地域で暮らし続ける」ために必要となる課題を日々悶々と模索しつつける事には変な自信を持っている私です。
共著『良い支援?』(生活書院)絶賛販売中!お求めはたこの木ブログより!

ブログ

たこの木ブログ
歩くたこの木

著書・共著


良い支援?
知的障害/自閉の人たちの自立生活と支援
inserted by FC2 system