第6回 障害児のきょうだい(1) (1/2)

 今でこそお気楽マイペースキャラが売り(?)なあーちゃんだけど、実はまぼに負けず劣らず苦しい時代がありました。
わたし自身も、今でこそ「障害児のきょうだいだからって、何も特別なことなんてないじゃない?」と思えるけれど、当時は気にかけてあげなくてはという、しゃちほこばった思いが強かったような気がします。
まぼもそうだったけど、大人が構えてしまった時点で、子供の敏感なアンテナは反応しちゃうんだろうね。でもね、発達障害に関する情報が多いとはいえなかった10年前、障害児のきょうだいの情報なんて探しても探しても見つけることができなくて、とっても不安だったのです(涙)
そんな不安の中で失敗をくり返し、こけつまろびつ試行錯誤してきたわが家の記録を、ちょっぴりふり返ってみたいと思います。


あーちゃんの初めての爆発は、5歳の誕生日を迎えた直後だった。

まず、母から片時も離れなくなった。買い物、お風呂、寝かしつけ等々、何から何までお母さんじゃなきゃだめ!お父さんが遊んでくれているときでも、母の数分の外出さえ許せない!大好きなおばあちゃんの家にも泊まりにいけない!中でもいちばんすごかったのは、わが家語で「いちゃもん」と呼ばれている、母への絡みっぷりだった。

(あ)「お母さん、絵本読んで。」(その絵本はあーちゃんのお尻の下。)
(母)「それを読むの?じゃあ、くれる?」(あーちゃんは絡むきっかけを探しているので、なるべくさらっと言う。)
(あ)「ねえ、読んでよ。」
(母)「うん、お母さんも読んであげたいんだよ。くれる?」
(あ)「だから読んでったら!」
(母)「(だったらそのお尻の下の本をくれぃ!)←心の声」
(あ)「読・ん・で!!」
(母)「・・・・・。」
(あ)「うわ〜ん、お母さんが読んでくれな〜い!!イジワルだぁ!!!」<大泣き

そんなこんなで抱っこをすればおろせと泣き、おろせば抱っこしてと泣く。
「お母さんなんか嫌いだもん。来ないでね!」と叫んだかと思えば、
「お母さんが来てくれない〜。」と泣く。

この状態になったとき「しまった」と思った。以前からサインはあった。気がかりだったから、1対1の時間を作ったりもしていた。でもそれさえも、あーちゃんの聞き分けのよさに甘えていた。「このくらいでいいよね。」と、こちらの都合のいい配分になっていた。いらぬおせっかいってやつ。ここまであーちゃんを追い詰めてしまった自分が情けなくて、私のほうがわんわん泣いてしまった。

プロフィール

じゅん

色とりどりな中2の3つ子と家族5人で、愛知県に生息中。
アスペッ子なまぼ、天然なあーちゃん、重度の知的障害&コテコテの自閉症のたんたんとともに、笑ったり、ずっこけたり、たまにへこんだりしながら、マイペースに暮らしてます♪

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著書

発達障害のある子の
こころを育てる
じゅん/著
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