第6回 障害児のきょうだい(1) (2/2)

たんたんの療育教室に母子で通うため、2歳のときに突然保育園に預けられた2人。後追いのいちばん激しい時期だった。帰宅後や週末には、埋め合わせるように2人との時間を作ったりしたけれど、それはたぶん本当に、『埋め合わせ』でしかなかったのだと思う。まぼは病気がちでよく休んだので、母と過ごす時間が意外とあったのだけど、幸か不幸か丈夫なあーちゃんは、病気で休むこともほとんどなかった。器用なので、自分のことは早くから自分でできるようになってしまった。さらに、母に似ずよく気が付くタイプだったので、きょうだいの世話まで焼いてくれた。気持ちが優しく感受性の強い子。いちばん手がかからないはずなのに、発達が早い分、叱られることも多かった。なんでもっと甘えさせてあげられなかったんだろう・・・。

最初の爆発から一週間、夕方から寝る前にかけてひともんちゃく…という日が続いた。ある晩、大泣きのあと、落ち着いた頃を見計らって2人でアルバムをひらいてみた。
生まれたての3人の小ちゃいこと!

「お母さんね、あーちゃんが生まれてくれてうれしくてうれしくて、涙が出ちゃったんだよ。赤ちゃんが3人もいて大変でも、いっぱいいっぱい抱っこして、かわいがってあげようって決めてたんだよ。なのにこんなにあーちゃんに我慢させちゃったね。ホントにごめんね・・・。」
話してるうちに泣けてきてしまった。
「お母さんがごめんねじゃないの。あーちゃんがごめんねなの〜。」
あーちゃんまでしゃくりあげて大泣き。
一週間、毎晩2人で泣き続けた。
「お母さん、だいっきらいっ!」に始まって、
「お母さん、大好きなの〜!」と大泣きして眠りについた。

時間も手も足りない3つ子育児だからこそ、愛情だけは存分に与えたいと思っていたのに。こんなふうにわが子を苦しめてしまうなんて。本当に本当に、情けなくて悔しくて苦しかった。だけど、自分を責めて後悔し始めたらキリがないな、とも思った。わたしがわたしを責めたところで、あーちゃんの心が救われるわけじゃないのだし。いくら悔やんでも時間を巻き戻すことはできない。でも・・・やり直すことはできるよね?

次回はそんなあーちゃんと母の、仲直り(?)作戦について書いてみたいと思います♪

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じゅん

色とりどりな中2の3つ子と家族5人で、愛知県に生息中。
アスペッ子なまぼ、天然なあーちゃん、重度の知的障害&コテコテの自閉症のたんたんとともに、笑ったり、ずっこけたり、たまにへこんだりしながら、マイペースに暮らしてます♪

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発達障害のある子の
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じゅん/著
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