絵本「学校コワイ」-発達障害の子どもの世界- (1/3)

今回の特集は、大阪市教育委員会 第13回『はーと&はーと』絵本原作コンクールで奨励賞受賞の絵本「学校コワイ」のご紹介です!


絵本「学校コワイ」の表紙

先生からの説明がないために、ごくフツウの事をわからないまま、毎日をびくびくしながら過ごさなくてはならない…学校はとてもコワイ場所…。

そんなLD(学習障害)とASD(自閉症スペクトラム)を持つ子どもの困り感、そして、次第に学校への恐怖が募っていく様子がこの絵本「学校コワイ」では、簡潔にかつ具体的に表現されています。

この絵本製作の発起人でもあり、作者(文)でもあるよつばもこさんにインタビューしましした!

学校コワイ」を製作されたよつばもこさん。自己紹介をお願いします!

我が子の診断をきっかけに発達障がいを知り、自閉症を学び始めました。知れば知るほど驚きと納得があるこの世界。 我が子のためというよりは自分自身の興味で学び続け、出逢いもどんどん広がる、そんな日常を楽しんでいる主婦です。


「学校コワイ」を出版するきっかけは、どんなことだったのでしょうか?

ときどき「保護者の立場でのお話を…」と講演する機会を頂く中で、本人達の言葉として娘のエピソードを伝えていました。

大阪市教委主催の絵本原作コンクールを知った時、「審査員の先生にこの子達のしんどさを知ってもらえるかも?!」と、そのエピソードを絵本風にまとめて送ってみました。 そして、講座の中でもお話として聞いてもらうと、エピソードとして伝えるより、気持ちが入りやすい手応えを感じました。

コンクールで奨励賞を頂いたことが絵を描いてもらうきっかけになり、PowerPointで絵を見せながらお話しすると、さらに感情移入して聴いていただけました。「絵本が欲しい」という声を頂きながらも、絵本の作成順と違って本文と挿絵のみがあることや、コンクール規定、自費出版の道はかなり険しく、とても手に負えないと見送っておりました。

その後、資金面の後押し、印刷屋さん〜印刷会社への紹介、構成を一緒に考えてくれた絵本研究家さんなど、たくさんの方のご好意のお陰でなんとか絵本の形にできたのが昨年11月です。 1000冊作って娘と私の関係者に配り、残りを実費販売したら、思わぬ大反響を頂いてびっくり!3週間でなくなってしまいました。

発送作業で私は体調を崩し、コンクール規定との調整も難しかったのですが、ネット書店さんと作業所さんが発送作業を手伝ってくださることになり、コンクール担当者のご尽力もあって、増刷が認められました。 自費出版であることには変わりないので、一般書店には流通しておりません。


小さな戸惑いが重なって、学校が怖くなる

なるほど!そんないきさつがあって、できた絵本だったのですね!
私は「学校コワイ」を読んで、小学校へ入学した当初のことを思い出しました。ほんとにわからないことだらけでした。 特に「勉強の時間と休み時間がかわりばんこにくるって、長い間知らなかった。だって時間割には書いてないんだもん。」というところ。 私も、小学校の入学したての頃、「休み時間」が何なのかよくわからなかった覚えがあります(笑) 大人にとっては、ごくごく当たり前のことでも、初めての時にきちんと説明されないとわからないことって、たくさんありますよね。

小学校1年生の時の初めての「テスト」で、私は「テスト」は人に聞いちゃいけない・自力で解かなきゃいけないってことがわかってなくて、隣の子に「これなんで?」って聞いたら、先生に「カンニングするな!」って激怒されました。

悪いことだと思ってないから「だって、わからないから聞いた」って、”当然の事しただけ”みたいに答えたら、 さらに激怒されて、机と椅子ごと廊下へ放り出されました…(汗) 「演習」と「テスト」の違いを説明してくれなかったから、わからなかっただけなんですけどね…なんで他の子は、そういうことを知ってたんだろう…?って思います。

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