第5回 今を楽しもう!(2/3)
障害があっても、成人病には平等にかかります。 いえ、普通の人より不摂生な彼らは、かなりの確立で成人病になっているように見えます。
そして残念ながら、いくら健康に気をつけていても、障害故に普通の人の平均寿命が期待できない人もいるのです。 だからこそ、彼らにとって「また一つ年を取れた!」という事は、とても喜ばしい事なのです。
40代、50代にもなると、普通の人なら「一つ年をとる事」は、それ程待ち遠しいとは思わないでしょう。 けれどスタジオでは、誕生日は必ずカップケーキにろうそくを一本立てて、50人以上もいる大きな部屋で、皆でハッピーバースデーを歌います。
少し子供っぽいでしょうか?
けれど結婚していない、親御さんも他界している彼らに、誰が歌ってあげるでしょう? スタジオの仲間は、第二の家族のようなもの。生きている事を盛大に祝いたいのです。
障害のある人の支援は、将来への訓練に集中してしまいがちです。それも確かに大事です。ただ、人生いつ何が起きるか分からないから、その時をエンジョイする事を忘れてはいけないんだなと思います。
以前ABAセラピスト時代にあるお母さんが言いました。
「この子は、療育を受けるためだけに生まれて来たのではない。楽しむために生まれて来たんだ。」 と。
確かにそうだなと思いました。
息子にふと「人は何のために生きるんだろうね?」
と聞いてみました。
すると即答で
「楽しむためでしょう?」
という答えが帰ってきました。