第5回
今を楽しもう! (1/3)

皆さん今日は。
スタジオは今、アートショウを終えて一息ついている所です。
アートショウは、おかげさまで大成功をおさめ、アーチスト達も地域の沢山の人と交流をする事ができました。
今回はイベントの事を聞きつけたメディアの取材もあったりして、アーチスト達は何よりも誇らしげで「輝いて」いました。

私は彼らがこうやって「輝く」手助けをする事が、支援の究極の目的だと思っています。 障害があって、普通の人より行動範囲が限られていても、会える人が少なくても、その瞬間が最高に楽しい! 彼らがそう感じられたらなと願います。

私がどうしてそう感じるようになったかというと、それはスタジオで何人かのアーチストの死を経験たからかもしれません。高齢の方もいましたが、20代の若さで亡くなった人もいます。去年50歳の誕生日を祝った直後のクリスマスに、永眠した方もいます。

知的障害、発達障害を持つ彼らのなかには、生まれつき心臓等に疾患を持っている方が多くいます。悲しいですが、これは現実です。

生まれつきの疾患がなくても、障害故に活動が制限され、運動不足になる事も多くあります。 肥満大国アメリカの中でも、クライアントには肥満の方が多いです。

自炊があまり得意でない、買い物もできない、そしてお金もないと、どうしても不健康な食生活にもなります。 知的に重ければなおさら、この健康管理自体がものすごくハードルが高いのです。

ちなみにスタジオでは、ランチは基本持参で、スタッフが電子レンジで温めたりします。 食事も勤務時間なので、一緒に取ります。 だから彼らの食生活の問題も目の当たりにします。

アレルギー、糖尿病なのに、隙を見ては食べてはいけないものを食べようとする人もいます。 インスタントラーメンを毎日食べる人もいます。 調理すればまだましな方、固いものを噛むのが好きでそのままバリバリ食べる人さえもいます。

プロフィール

佐藤エリコ

カリフォルニアの首都、サクラメント在住の15歳のアスペ君の母。
東京造形大絵画科、サンフランシスコ州立大卒。
1999年渡米し、画家、イラストレーター、美術教師として活動する。
2007年、一人息子Mのアスペルガー診断をきっかけに自閉症の療育を学ぶため、ABA(応用行動分析)のホームセラピストに。
2010年、アスペルガー育児とセラピスト体験をコミックエッセイ「まさか!うちの子アスペルガー?」(合同出版)から出版。
現在はアートとセラピストの経験を活かして、2010に発達障害(知的障害、脳性マヒ、てんかん、自閉症を含む)をもつ成人のアートスタジオ「スタジオ23(仮名)」にインストラクターとして勤務している。
18歳から90歳以上までの強烈な個性のアーチスト達が50人以上も通うアトリエで、息子の将来について考えながら、日々格闘中!

ブログ・絵カードのお店

著書


まさか!
うちの子アスペルガー?
佐藤エリコ/著
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