第4回 アートショウに向けて(2/2)

もう一つ、他のプログラムを見てて感じた事は、作品のプレゼンテーションの重要さでした。
視察に行った2カ所のアトリエには、両方ともギャラリーが併設されており、ウェブサイト、カタログ化などがきちんと行なわれていました。 アーチストの紹介もしっかりしておりました。

アートというのは、誰が作ったかというのが大事です。 「その人の作品だから欲しい」「魅力を感じる」というのはあると思います。 うまく説明できないのですが、決して「同情して欲しい」のではなくて、「作った人の見える」っていうのが大事だなと思うんです。

例えば、不揃いの縫い目の作品があったとします。 それが「いやいや適当に作らされた」のか、「うまく動かない手を一生懸命動かして、楽しみながら一針一針愛情を込めて縫われた」のかで、その作品の意味って大きく違うと思うんです。 それをいかに伝えるかが私達の仕事だなと。

現在スタジオ23はギャラリーの建設へ向けて動きつつあります。 アーチストのカタログを作ったり、オンラインの発表の場を探したり、できる限りの事をやっています。 今のスタッフはとても意欲的で、今年は売り上げの記録も更新しました。

地域とのつながりが薄い彼らは「ネットで写真をシェアしたよ」と言うだけで、目を輝かせてくれるのです。 そんな彼らを見てると、もっと頑張ろうという気持ちが湧いてきます。
さて、今年のアートショウはどんな成果が生まれるでしょう?
スタジオのアーチスト達の今後の活躍に乞うご期待です!

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プロフィール

佐藤エリコ

カリフォルニアの首都、サクラメント在住の15歳のアスペ君の母。
東京造形大絵画科、サンフランシスコ州立大卒。
1999年渡米し、画家、イラストレーター、美術教師として活動する。
2007年、一人息子Mのアスペルガー診断をきっかけに自閉症の療育を学ぶため、ABA(応用行動分析)のホームセラピストに。
2010年、アスペルガー育児とセラピスト体験をコミックエッセイ「まさか!うちの子アスペルガー?」(合同出版)から出版。
現在はアートとセラピストの経験を活かして、2010に発達障害(知的障害、脳性マヒ、てんかん、自閉症を含む)をもつ成人のアートスタジオ「スタジオ23(仮名)」にインストラクターとして勤務している。
18歳から90歳以上までの強烈な個性のアーチスト達が50人以上も通うアトリエで、息子の将来について考えながら、日々格闘中!

ブログ・絵カードのお店

著書


まさか!
うちの子アスペルガー?
佐藤エリコ/著
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