第3回 彼らの恋愛と性(2/2)

これはとても危険な事だと思います。 昔と比べれば減ったとはいえ、残念ながら知的障害のある大人への性的虐待や望まない妊娠の問題はまだあるようです。 女性は妊娠しないように避妊処置がとられている事も多くあると聞きます。 知的にまだまだ子供なんだろうけれど、体は大人です。 そして彼らはの多くは異性とのロマンスに興味を持っています。 自分の心と体に何が起きてるのかきちんと教えないと、意図せずに間違った行動を起こす事もあるように思います。 つくづく彼らには性教育が必要だと思いました。

アメリカの普通の学校では性教育をしっかりします。息子も5年生くらいから何度か受けて、パンフレットにはしっかり性病や避妊について教育されます。だからこそ、特別支援学校に行ってた彼らとのギャップに驚いたのです。 アトリエはアートを作る場所です。 だけど、自由に自己表現をする場であるからこそ、親やケースワーカーには見えない姿が見られるという事もあります。これからも機会があるたびに、私も少しずつでもそういう話を彼らにしていきたいと思います。

プロフィール

佐藤エリコ

カリフォルニアの首都、サクラメント在住の15歳のアスペ君の母。
東京造形大絵画科、サンフランシスコ州立大卒。
1999年渡米し、画家、イラストレーター、美術教師として活動する。
2007年、一人息子Mのアスペルガー診断をきっかけに自閉症の療育を学ぶため、ABA(応用行動分析)のホームセラピストに。
2010年、アスペルガー育児とセラピスト体験をコミックエッセイ「まさか!うちの子アスペルガー?」(合同出版)から出版。
現在はアートとセラピストの経験を活かして、2010に発達障害(知的障害、脳性マヒ、てんかん、自閉症を含む)をもつ成人のアートスタジオ「スタジオ23(仮名)」にインストラクターとして勤務している。
18歳から90歳以上までの強烈な個性のアーチスト達が50人以上も通うアトリエで、息子の将来について考えながら、日々格闘中!

ブログ・絵カードのお店

著書


まさか!
うちの子アスペルガー?
佐藤エリコ/著
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