第1回
スタジオ23 -発達障害アトリエの日々- (1/2)
皆さん初めまして、佐藤エリコです!
しーたさんからコラムの話を頂き、すぐに「面白そう!」と引き受けました。
何を書こうか迷った末、カリフォルニアで発達障害を持つアーチストと仕事をしている私にしか書けない事を、綴っていくことにしました。
どうぞよろしくお願いします!
まずはスタジオに勤めるようになったきっかけからお話しますね。
私が発達障害を持つ人と仕事をしたいと思ったのは、息子Mが自閉症の診断を受ける少し前でした。
彼が小学生の頃、私はサンフランシスコで子供にアートを教えていました。
生徒は普通の小学生が殆ど。
発達障害のある子はあまりいませんでした。
しかし、そこでなぜか私は障害のある子の作品に強く惹きつけられたのです。
今思うと、Mと彼らの間になにか共通する物を見いだしていたのかもしれません。
そして、彼らの能力を引き出す仕事ができたらと思うようになりました。
その頃小学校3年生だったMは、普通学級での困難が目立ち始めていました。
そして4年生でMが自閉症だと分かってからは、本格的に自閉症児との関わり方を学ぼうと、自閉症児療育プログラム、ABA(応用合同分析)のホームセラピストになりました。
※この辺までのお話は、拙著「まさか!うちの子アスペルガー?―セラピストMママの発達障害コミックエッセイ (合同出版)」で詳しくお話しております。
そして、私はアートとセラピストの経験を活かしてスタジオ23(仮名)のアートインストラクターになったのです。
さて、スタジオ23はどのようなプログラムでしょうか?
私の住むカリフォルニア州にはランターマン発達障害者サービス法(Lanterman Developmental Disabilities.Act)
といって、知的、発達障害を持つ全ての人が、地域で皆と同じように生きる権利を定めた法律があります。
この法に基づき、地域のリージョナルセンター(RC)を通して、クライアント達は地域のサービスプロバイダーから必要な支援を受けます。
私の勤めるスタジオ23はそのサービスプロバイダーに属します。