第4回 性格からみた「そのまま」の自分 その2 (6/6)

この回の終わりに

性格類型の使い道とは?

さてさて、性格類型をざっとみてきました。いかがだったでしょうか? 自分の性格と何か重なるところはあったでしょうか? もし重なるところがあるなぁと思ったら、前回のリンクページから更に類型を詳しく観て、自己理解を進めてもらえればと思います。 今回は、自分を見つめなおして自己理解を進める上で有効だと思ったので性格類型を載せてみました。性格類型は自分を知るための道具の一つです。なので、他者を計る物差しとして使うものではありません。人間は、一人ひとり個性豊かな生身の人間であり、こうしたスケールで測れるものではないからです。しかし、自己理解を深めるに当たってはとても有効に働きます。自分の中の色々な側面を知る手がかりになるからです。

自分を受けとめて行くこと

「防衛的な性格」を持っている「そのまま」の自分に気づくことはとても素敵なことです。今の自分の中にある、その「防衛的な性格」から来る生きにくさに気づけば、それをひとつひとつ取り除いて行って、新たな生き方を身に付けることも出来ます。そうすると、とても生きやすい人生が訪れはじめます。 その為には、ぜひとも、自分のさまざまな側面に気づき、気づいた自分を認め、受容していくことをお勧めします。信念を変えることは容易なことではありませんが、気づくことで自覚的になり、違う自分を選択することも可能になってきます。

未発達な部分に対して、必要なスキルを身に付けることも可能になってきます。 また、人間らしさ、生き物らしさという意味でも感情はとても大事なものです。嬉しい自分、満足感を感じる自分といった肯定的な受け入れやすい正の感情の自分もあるでしょうが、時には負の感情の自分もあります。怒りを感じることもあるでしょうし、涙を流すこともあるでしょう。負の感情の自分を受けとめるのは辛いことかもしれません。

しかし、負の感情の自分は今まで、あなたの中でたったひとりで誰にも認めてもらえなかった自分自身なのかもしれません。そうした自分を受けとめて、自分自身が自分自身にとっての一番の理解者になってあげて欲しいものです。自分を受け入れることが結果的には、生きやすさだけではなく、自己理解や他者理解にも繋がるからです。

(注意) ここの説明は、主にバイオエナジェティックスから説明していますが、分かりやすくする為に、現在の精神分析などの学説や、ボディサイコセラピーの取り組みなどからも参考にしています。その為、本来のバイオエナジェティックスの性格分類と異っているものがあります。原文に興味のある方は参考文献をご覧願います。

* 参考文献 *
  • 「特集 性格戦略と恋愛パターン」小原仁/著 情報誌「ホロス」Vol.17 2003年
  • 「バイオエナジェティックス-原理と実践」アレクサンダー・ローエン/著 菅靖彦・国永史子/訳 春秋社 1994年
  • 「認知療法実践ガイド 困難事例編 -続ジュディス・ベックの認知療法?テキスト」ジュディス・S・ベック/著 伊藤 絵美,佐藤 美奈/訳 星和書店 2007年
  • 「パーソナリティ障害の診断と治療」ナンシー・マックウィリアムズ/著 成田善弘/監訳 創元社 2005年

プロフィール

あらきまさし (まぁ。)

高機能広汎性発達障害の当事者。
1994年立命館大学法学部卒業。2001年10月から心理カウンセリングのトレーニングを始める。その頃から心身体験型のワークに出会い、特にゲシュタルトセラピー、フォーカシング、ブレスワーク、心身統合心理療法(ボディサイコセラピー)などを取り入れて学ぶ。
その後、京都府内の精神保健福祉センターにてボディワーク講師のアシスタントを務めたり、KNCにてファシリテーター研修を開始。エンカウンターグループDOの世話人を務めている。
2010年11月に高機能広汎性発達障害の確定診断が降りる。2011年から発達障害当事者グループ「グループそのまま」を主催。
2012年現在は、アルバイト等をしながら、心理カウンセリングやグループワークを行っている。
「珈琲や生クリーム、プリン、豆腐などをこよなく愛してます。けっこう、へろへろしながら自分にできそうなことを行ってます。これからもよろしくです^^」
ブログ
ブログ 発達障害でもなりたいものになれるさ
当事者会
発達障害当事者グループ グループそのまま
ワークショップ
ワークス SHISAMA
協力:宮崎礼子
KC心理・家族相談室
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