第3回 性格からみた「そのまま」の自分 その1 (4/4)

例えば、次のようなエクササイズが感情を感じとるのにいいかもしれません。
内なる感情に気づくためには、まず、内なる感覚から入っていきます。五感を使って「自分の身体のどこで、どのように感じているのか」を気づくようにしてみます。足先、足、骨盤、お腹、腰、横隔膜、胸、背中、腕、首、あご、顔、目、頭、と自分の身体の部位を丁寧に感じとってみます。自分の外側の領域(空気や服が皮膚に触れている感じなど)、内側の領域(身体の暖かさや筋肉の動きなど)、感情の領域(その部位にどんな感情が宿ってるのかなど)に気づいてみます。そして、気づいたものがあると、「あるにはあるね」と、こころの中で声をかけて分かっておきます。そうすると、今まで表現できなかった感情についても理解を進めることができます。

感情を表現するには学びも必要

また、発達障害の私たちの中には、感情の言葉そのものをあまり使ってこなかった為、「何か感じているけど言葉で表現できない」という人もいます。そんな場合は、「感情の言葉」を言語として学び、語彙を増やすことが自己理解やコミュニケーションにとって、とても大事になるかもしれません。そして、「どの感情の言葉が自分の中のどの感情と結びついているのか」を実感しながら身に付けることもとても大事でになると思います。

また、自分に向きあっていく中で、「何だか分からないけどあるにはある」という微細な感情に気づくこともあるかもしれません。
「そのまま」の自分を感じとることを進めていって、そして少しずつ自分の感じとれる領域を増やせていければ、さらに自己理解が進み、コミュニケーションに活かせやすくなり、自分を豊かにすることができるようになります。

そんなふうに、自己との付き合いを豊かにするためにも、まずは、感じているどんな感情に対しても、おいやったり批判したりせずに、感じている「そのまま」の自分を受け入れることからはじまります。

* 参考文献 *
  • 「特集 性格戦略と恋愛パターン」小原仁/著 情報誌「ホロス」Vol.17 2003年
  • 「バイオエナジェティックス-原理と実践」アレクサンダー・ローエン/著 菅靖彦・国永史子/訳 春秋社 1994年
  • 「認知療法実践ガイド 困難事例編 -続ジュディス・ベックの認知療法?テキスト」ジュディス・S・ベック/著 伊藤 絵美,佐藤 美奈/訳 星和書店 2007年
  • 「パーソナリティ障害の診断と治療」ナンシー・マックウィリアムズ/著 成田善弘/監訳 創元社 2005年

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プロフィール

あらきまさし (まぁ。)

高機能広汎性発達障害の当事者。
1994年立命館大学法学部卒業。2001年10月から心理カウンセリングのトレーニングを始める。その頃から心身体験型のワークに出会い、特にゲシュタルトセラピー、フォーカシング、ブレスワーク、心身統合心理療法(ボディサイコセラピー)などを取り入れて学ぶ。
その後、京都府内の精神保健福祉センターにてボディワーク講師のアシスタントを務めたり、KNCにてファシリテーター研修を開始。エンカウンターグループDOの世話人を務めている。
2010年11月に高機能広汎性発達障害の確定診断が降りる。2011年から発達障害当事者グループ「グループそのまま」を主催。
2012年現在は、アルバイト等をしながら、心理カウンセリングやグループワークを行っている。
「珈琲や生クリーム、プリン、豆腐などをこよなく愛してます。けっこう、へろへろしながら自分にできそうなことを行ってます。これからもよろしくです^^」
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