第3回 性格からみた「そのまま」の自分 その1 (3/4)

(分裂質性格)防衛パターンと生き辛くさせて問題になる点

このタイプの人は、「私は人と違っていて、どこかに欠陥があり、みんなにとけ込むことが出来ない」という自分に対する信念があります。
他者については、「みんなは私のことを好きではない(疎外感)」「他者はみんな、押しつけがましい(侵入感)」と思っているところがあります。
そして、特に発達した防衛パターンは、「他者との接触を避ける」ことや「他者と親密になることを避ける」「一人でできる活動ばかりする」ことです。 このタイプの人の困難に感じる未発達な部分は、「普通の対人関係を含む社会的スキルを身に付ける」ことや「他者を信頼する」ことです。

発達障害と統合失調症は間違われやすい?

発達障害の人はよく間違えられて統合失調症と診断されることがありました。統合失調症は幻聴や妄想などの陽性症状と、意欲の低下や感情の平板化などの陰性症状などからなっている精神疾患です。

発達障害の私たちの中にはそもそも感情の発露が少ない人もいるので、一見すると似ているように見えます。また、発達障害の人は二次障害で感情が平板化する方も沢山います。ですが、統合失調症の人のように幻聴や妄想などを体験する方は少ないと思います。 間違われやすいのは、発達障害が原因で二次障害が出ている場合と、統合失調症に向かう人の違いがとても分かりにくいためです。

感情に気づくことは難しい?

防衛から解放していくための一歩として、感情に気づくことはとても大事なことです。 人は誰でも、その時その時、何かを感じながら生きています。しかし、防衛が働いて感情が分からなくなっていることがあります。

以前述べた通り、発達障害の私たちも感情がない訳ではありません。むしろ感情はとても豊かです。大人になって感情が平板化している場合は、何か生活史の中で感情を押し殺さなければ生きて行けない理由があったのかもしれません。感情が平板化していることに気づいたら、感情を取り戻していく取り組みが必要になります。

プロフィール

あらきまさし (まぁ。)

高機能広汎性発達障害の当事者。
1994年立命館大学法学部卒業。2001年10月から心理カウンセリングのトレーニングを始める。その頃から心身体験型のワークに出会い、特にゲシュタルトセラピー、フォーカシング、ブレスワーク、心身統合心理療法(ボディサイコセラピー)などを取り入れて学ぶ。
その後、京都府内の精神保健福祉センターにてボディワーク講師のアシスタントを務めたり、KNCにてファシリテーター研修を開始。エンカウンターグループDOの世話人を務めている。
2010年11月に高機能広汎性発達障害の確定診断が降りる。2011年から発達障害当事者グループ「グループそのまま」を主催。
2012年現在は、アルバイト等をしながら、心理カウンセリングやグループワークを行っている。
「珈琲や生クリーム、プリン、豆腐などをこよなく愛してます。けっこう、へろへろしながら自分にできそうなことを行ってます。これからもよろしくです^^」
ブログ
ブログ 発達障害でもなりたいものになれるさ
当事者会
発達障害当事者グループ グループそのまま
ワークショップ
ワークス SHISAMA
協力:宮崎礼子
KC心理・家族相談室
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