第2回
3つ組の特性・感覚過敏からみた「そのまま」の自分 (3/3)

世の中の人々への対処

この世の中は定型の人々が沢山暮らす世の中です。私たちが生活し、さまざまな営みを共有するには定型の人々と仲良くやって行くことがとても大事です。もちろん、発達障害の人同士でも相手に不快感を与えないように配慮するには、定型の人に配慮する時と同じように、朝には「おはよう」とあいさつするなど、スキル(技術)が必要になります。つまり、人と仲良くして行くにはどの場合でも何らかのスキルが必要なのです。

スキルを身に付けるには今の現時点を知ることからはじまります。つまり、3つ組の特性から言えば、今の「そのまま」の自分の言動と行動、そして感覚過敏の特徴を知ることからはじまります。
そして、自分のそれらの特徴に気づいたなら、その特徴を「ああ、こんな特徴があるんだなぁ。それが自分なんだなぁ」というように肯定的に認めることです。「出来ない自分はなんてダメなんだ」と否定的に捉えるのではなく、「今は出来なくて当たり前だね。違って当たり前だね。それが自分なんだなぁ」と、そんなふうに自分を受け入れることが何よりも大事です。

そして、自分と他の人の違いに気づくことです。違いに気づいたら、自分の特徴を変えようとするのではなく、対処方法を見つけるようにします。 例えば「おはよう」とあいさつするなどのスキルを使ったり、メモ帳を使って手順を書くことで理解したり、騒音が辛いならイヤーマフや耳栓をしたり音源から離れるなど、対処法をとります。

また、「気持ちを感じている自分」や「話をしたい自分」が居る場合は、そのことに気づいたら、「そのまま」の自分の「嬉しい」「悲しい」といった感情や「人に伝えたい思い」を認めてみます。そして、その感情や思いを表現するかどうかは状況に合わせて選択して、世の中の人と交流して行くことが、自分らしくイキイキと生きて行くためにはとても大事なことだと思います。

* 参考文献 *
・図解 よくわかるアスペルガー症候群 広瀬宏之/著 ナツメ社 2008年

お知らせ

ワークスSHISAMA
ワークショップを開催&参加者募集中です♪ 詳しくはhpにて。Click!

発達障害当事者グループ”グループそのまま”
当事者グループを開催&参加者募集中です♪詳しくはhpにて。Click!

過去の記事

プロフィール

あらきまさし (まぁ。)

高機能広汎性発達障害の当事者。
1994年立命館大学法学部卒業。2001年10月から心理カウンセリングのトレーニングを始める。その頃から心身体験型のワークに出会い、特にゲシュタルトセラピー、フォーカシング、ブレスワーク、心身統合心理療法(ボディサイコセラピー)などを取り入れて学ぶ。
その後、京都府内の精神保健福祉センターにてボディワーク講師のアシスタントを務めたり、KNCにてファシリテーター研修を開始。エンカウンターグループDOの世話人を務めている。
2010年11月に高機能広汎性発達障害の確定診断が降りる。2011年から発達障害当事者グループ「グループそのまま」を主催。
2012年現在は、アルバイト等をしながら、心理カウンセリングやグループワークを行っている。
「珈琲や生クリーム、プリン、豆腐などをこよなく愛してます。けっこう、へろへろしながら自分にできそうなことを行ってます。これからもよろしくです^^」
ブログ
ブログ 発達障害でもなりたいものになれるさ
当事者会
発達障害当事者グループ グループそのまま
ワークショップ
ワークス SHISAMA
協力:宮崎礼子
KC心理・家族相談室
inserted by FC2 system