第9回 パソコンの時代(2/3)

隣の席の人も「社長!、画面からマウスが消えました!」とか、 「爆弾マークが出ています(パニック)」とかねえ。(当時マックは、よく爆弾マーク出てました〜) ホントに、何もわからない状態だったなあ〜。
でもそこは、Macintoshの素晴らしいところ♪1週間も、あれこれいじってると「感覚で」なんとなく、デザイン出来るようになっちゃうのよね。
それでも、わからないところがあると、数人で「誰が説明書読む??」って空気になって、 結局、Kさんという人が、説明書を読むことになってたなあ。

今でこそ「私、LDがあって、文字読むの苦手だから、お願いしても良い?」 なんて、言えるけど、当時は、みんな同じくらい読めないんだと思ってたのよね。

説明書読んでも、わからないときには、サポートセンターに電話するんだけど、 お電話でプロの方からご指導いただいても、 私も他の人も「?????」で、たいがいは、 サポートセンターの方に、事務所まで来ていただくんだけど、 その方にかかると、爆弾はあっという間に消えて、 愛しのマックちゃんは、「ジャ〜ン♪」と再起動し、 「ゴミ箱に入れて、完全に消去」されたはずの大事なデータが復活したりして、魔法を観ているようでした(笑)

Illustratorを使ってデザインをするようになって 今まで、極力さけていた、円や、楕円が、数秒で出来るのには感動でしたね。 ただ、私には、致命的な問題が… 『文字の打ち込みが、と〜〜っても遅い…』
それはもう、謙遜ではなくて、めちゃくちゃ遅かったのです。 おまけに、ミスタッチ、変換ミスだらけで… そういえば私、高校の選択授業で『英文タイプ』を受けていたのですが 1年間、地味〜に、タイピングの練習をしても クラスで、下から2番目くらいのスピードでした。
英文タイプと、パソコンのキーボードの文字列は同じ。 やっぱり、パソコンでも、苦手なものは、苦手でしたね。
あまりにも、私の打ち込みが遅くて間違いが多いので 社長が「Kちゃんベタウチでええから、文字だけダダ〜〜っと打ったげて」 とKさんに、頼んでくださり、私は、その文字のレイアウトだけをすればよいことになりました。 この作戦は見事に成功し 版下の出来上がりスピードが、ものすごく上がりました。

そうそう、その時の社長は、文字の変換ミス見つけるの、天才的でしたよ。 横を通り過ぎる時に、特に意識せずとも 変換ミス部分が「浮きあがって見える」のだそうです。 多分、社長、ギフティッド的な方じゃないのかなあ。 ほんとに、頭の良い方でした。

やる気はあるけど、どんくさくて、なくしものばかりしていて 文字打ちヘタな私の事も 怒鳴ることなく、見捨てることなく 「こうやったらうまくいくんじゃないかな」というアイデアを さらりと出してくださるんですね。 今でも、足向けて寝られません。

プロフィール

くすのきゆり
兵庫県出身。兵庫県在住。
デザイン専門学校在学中に二科展入選。
専門学校卒業後は、イラストレーター、グラフィックデザイナーとして、デザイン事務所、広告代理店制作部に勤務。
本や教材の挿絵、ポスター、雑誌の表紙、イラスト、ロゴマーク作成、パンフレット、チラシなどグラフィックデザイン全般を手掛ける。
結婚、出産で いったん現場を退くものの、現在は、発達障害の啓発活動の傍ら、フリーのイラストレーター兼グラフィックデザイナーとしてとして活動中。
色鉛筆画が得意。
LDの人にも読みやすいグラフィックデザインを心がけています。
プライベートでは 二人の子どもの発達障害の診断までの過程で、私自身もその
傾向が強い事に気づく。
心療内科にて「物忘れ・衝動性・不注意は薬の副作用やうつ病の症状ではなく、
持って生まれた特性でしょう。脳のほんの少しの機能障害です」と言われるもの
の、専門病院での診断は受けていない。
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