第9回
パソコンの時代(1/3)

私は、会社勤めとして、デザインやイラストをしていたのは 7年間。(その後結婚退職していったん専業主婦に) そのほとんどは、純粋に手書きで原稿を作っていた。 パソコンも無し、デジカメも無し、メールも無し、ネットも無し。 FAXは何とかありました!

今では考えられない、そんな環境で仕事をしていました。 携帯電話も無かったし、営業の人しか、ポケベル持ってなかった。 (ポケベルって今の若い方、ご存じなんだろうか) そんなアナログな世界って、想像できますか?(笑) 制作に、ものすご〜〜〜く、時間がかかるんですよ。

線1本引くにも、上手、ヘタがはっきり出ます。 丸も、コンパスに、製図用のペンを付けて、描くんです。 楕円に至っては、小さいものは、楕円パターンというもので、書くのですが 大きいものは、色んな曲線の混じり合った、不思議な定規で書くんですよ。 これがと〜〜っても難しいので、 極力、楕円は書かずに済むようにしていました(笑) せいぜい、角丸の、四角くらいで済むように、レイアウト考えていました。

手書ききの「版下」には、味わいがありましたよ〜〜。 「版下」については、ウィキをどうぞ↓ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%88%E4%B8%8B
今は台紙に色々貼り込んだ、「版下」自体が存在しません。 寂しい限りです。

私が結婚退職する前の1年間だけ 私は、Macintoshを使っていました。 当時…今から20年近く前ってね、 デザイナーは、主に「Illustrator」というソフトでデザインの版下を作って それをいったん、印画紙に印刷してもらいその上にトレーシングペーパーをかけ それに、手書きで色指示をしていって、写真は、ポジを用意して、一緒に納品していました。 後は印刷屋さん任せ。 なので私は「Illustrator」という特殊なソフトは使えても ワードやエクセルには触れたことなかったんですよ。 そのせいか今でも、ワードは、苦手ですね〜〜。

私の仕事仲間は、ほとんど、「ここに来てパソコン初めて触りました」 っていう人ばかりだったので 「変なことして壊しちゃったらどうしよう〜!」って、おっかなびっくり作業してました。
今だったら、大笑いされちゃうんだろうけど 私、隣の席の人に
「ねえO(オー)と0(ゼロ)は、形一緒だから、どっち打ち込んでも良いんかな?」
なんて本気で質問したり、
「ああ〜〜、画面のもっと上みたいのに、マウスがこれ以上上に行かない〜!」
「マウスパッドが足りなくて、ああ、机も足りなくて、これ以上、マウスが動かせない〜〜!」
なんて、もがいてたっけな〜。

プロフィール

くすのきゆり
兵庫県出身。兵庫県在住。
デザイン専門学校在学中に二科展入選。
専門学校卒業後は、イラストレーター、グラフィックデザイナーとして、デザイン事務所、広告代理店制作部に勤務。
本や教材の挿絵、ポスター、雑誌の表紙、イラスト、ロゴマーク作成、パンフレット、チラシなどグラフィックデザイン全般を手掛ける。
結婚、出産で いったん現場を退くものの、現在は、発達障害の啓発活動の傍ら、フリーのイラストレーター兼グラフィックデザイナーとしてとして活動中。
色鉛筆画が得意。
LDの人にも読みやすいグラフィックデザインを心がけています。
プライベートでは 二人の子どもの発達障害の診断までの過程で、私自身もその
傾向が強い事に気づく。
心療内科にて「物忘れ・衝動性・不注意は薬の副作用やうつ病の症状ではなく、
持って生まれた特性でしょう。脳のほんの少しの機能障害です」と言われるもの
の、専門病院での診断は受けていない。
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