第3回
デザイン事務所での仕事(アシスタント時代)(2/3)

この頃、専門学校の卒業生数人で集まって何度か飲み会していたのですが
みんな「こんなに自分が手が遅いとは…。ここまで出来ないとは…」
って、同じような事で悩んでいましたね。
事務所に少し慣れてくると、小さなデザインを、任せていただけるようになります。
今のようにパソコン画面を観ながらの作業が出来ませんので、全て手作業。
カッターナイフで写植文字を切って貼って、の繰り返し。
枠線ひとつも、手描きです。

今の時代から考えると、気が遠くなるような地味な作業が、朝から晩まで、延々と続きます。業界的に、1日14時間労働というのも珍しくありませんでした。
かなり過酷な業界ではありました。
その分、やりがいもあるのですが。

土曜日は出勤で、日曜、祝日のみ、休みの事務所だったのですが
日曜日は、なるべく大きな書店に行って、デザイン書を見ていました。
海外のデザイン書って、すっごく高いんですよね〜〜@@;
だから、当時は、めったに購入はできず、じ〜〜〜っと、見て、頭に入れて 帰っていました。
そのかわり、無料で手に入るパンフレット・チラシ・DMで「このデザインは良い!」って思うものは、どんどん、ストックしていき、色々参考にしていました。

毎日目にする、社長や先輩の作る作品はレベルが高くて、とても勉強になりました。 実際に任せてもらえる仕事は少しだけなのですが、寝ても覚めても
「このデザイン良いな〜♪」
「この色とこの色の組み合わせだと 綺麗だな〜〜」
などと、考え続けていました。

夢中になると、公私の堺がなくなるのは、この頃も今も同じです。
あの頃、流行っていた栄養ドリンクのCM、
「24時間、働けますか♪」
「いけるよ〜〜!」って心の中で思っていましたっけ。
しかし、残念なことに、私は、有能なアシスタントではありませんでした。
やる気も情熱もあるんだけど、要領が悪いのですよ^^;

社長が、整理整頓や、時間の管理が苦手な方だったので、そのあたりのフォローを求められていたのですが、私も、同じ分野が全くダメで〜〜(T_T)

プロフィール

くすのきゆり
兵庫県出身。兵庫県在住。
デザイン専門学校在学中に二科展入選。
専門学校卒業後は、イラストレーター、グラフィックデザイナーとして、デザイン事務所、広告代理店制作部に勤務。
本や教材の挿絵、ポスター、雑誌の表紙、イラスト、ロゴマーク作成、パンフレット、チラシなどグラフィックデザイン全般を手掛ける。
結婚、出産で いったん現場を退くものの、現在は、発達障害の啓発活動の傍ら、フリーのイラストレーター兼グラフィックデザイナーとしてとして活動中。
色鉛筆画が得意。
LDの人にも読みやすいグラフィックデザインを心がけています。
プライベートでは 二人の子どもの発達障害の診断までの過程で、私自身もその
傾向が強い事に気づく。
心療内科にて「物忘れ・衝動性・不注意は薬の副作用やうつ病の症状ではなく、
持って生まれた特性でしょう。脳のほんの少しの機能障害です」と言われるもの
の、専門病院での診断は受けていない。
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