第1回
グラフィックデザイナーになるまで (2/3)

デザイン専門学校での生活 (1年生)

私は「グラフィックデザイン学科、イラストレーションコース」に在籍していました。この専門学校は、課題が多く、厳しいと、評判だったのですが、私にとっては、パラダイス。だって、一般教養などの教科はなく、すべての授業が、大好きな《描く》なのですから。

この専門学校での出会いも、私にとっては、大切なものとなります。
先生方は、現役で活躍されているプロ。しかも、かなり個性的!
良い刺激を、たくさんいただきました。クラスメイトも個性的な人が多かったですよ〜。私は、初めてここで「居場所」が見つかった思いがしました。

ここに来てやっと
「どうやらデザイン業界は、変人さんでも生きていけるみたい」と
安心したわけです。

しかし、毎日1つ、課題提出のペースについていけない生徒は、 どんどんと、消えていきました。入学時には、100人近くいた、同級生が、夏休みが終わったとたん、 半分に減っていました。
最終、卒業時には、1/3にまで、減るのですが…

デザイン専門学校での生活 (2年生)

私が通っていた専門学校は、基本2年。
1年目は、新入生として、先輩方の卒業展覧会の作品などを直接目にして 来年はもう、自分たちが、卒業作品を作るのかと、緊張したのを覚えています。

専門学校では、学校から、アルバイトを紹介されることもありました。
商店街の、似顔絵かきや、工事現場の、壁アート。
「そんなん、描いたことない〜〜」状態ですが、やれば何とかなりましたねえ
そういう経験すべてが、実際に就職してから、役に立ちました。

生徒の中には、設計事務所や、デザイン事務所のアルバイトに行くうち、 気に入られて、就職内定してるラッキーな人もおられましたっけ。

二科展出展

夏休みの宿題は、専門学校らしく「二科展出品」でした。
この頃は、ひたすら毎日、描き続ける日々でしたので、 作品を描くときには「直観」がはたらくようになっていました。

まず、下描きの為に、鉛筆を手で削ります。
削っているうちに、頭が「描くモード」になって、精神集中してきます。
その後、真っ白な、B1サイズのパネルに向かって、さらに集中します。

するとね、一瞬、ふっと、オールカラーで、「出来上がりの状態」が見えるんですよ。
見えたら、すぐに制作にかかります。
忘れないうちに、一気に描き上げます。
過集中に入ると、私は寝食、忘れて描き続けます。 この状態に入ると、脳内に快感物質が出るようで、おなかも、すかないんですね。

プロフィール

くすのきゆり
兵庫県出身。兵庫県在住。
デザイン専門学校在学中に二科展入選。
専門学校卒業後は、イラストレーター、グラフィックデザイナーとして、デザイン事務所、広告代理店制作部に勤務。
本や教材の挿絵、ポスター、雑誌の表紙、イラスト、ロゴマーク作成、パンフレット、チラシなどグラフィックデザイン全般を手掛ける。
結婚、出産で いったん現場を退くものの、現在は、発達障害の啓発活動の傍ら、フリーのイラストレーター兼グラフィックデザイナーとしてとして活動中。
色鉛筆画が得意。
LDの人にも読みやすいグラフィックデザインを心がけています。
プライベートでは 二人の子どもの発達障害の診断までの過程で、私自身もその
傾向が強い事に気づく。
心療内科にて「物忘れ・衝動性・不注意は薬の副作用やうつ病の症状ではなく、
持って生まれた特性でしょう。脳のほんの少しの機能障害です」と言われるもの
の、専門病院での診断は受けていない。
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