第10回 コミュニケーション下手って?(1/2)

 あーちゃんの登校渋りも落ち着き、長距離通学にも慣れてきた頃、通学班の班長さんが、風邪をひいてお休みした。「大丈夫かなあ。」と心配するあーちゃんのとなりで、「死んじゃったりしてね!」と高らかに応えるまぼ。ちょっ・・・もう少し言い方ってものがあるでしょーに。これは注意したほうがいいかなとまぼの顔をのぞきこみ、喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。「ウケた?」と言わんばかりのニコニコ顔。もしかして・・・冗談のつもり?

 小学校1年生ともなると、会話のなかに上手に「ツッコミ」を入れる子も出てくる。先生や友達の発言に対して、相手を怒らせない程度に(このさじ加減がすごいよね〜)「マジで?」「最悪〜!」などとおちゃらけて見せたり。まぼは根がいちばん病なので、目立つことはキライじゃない。ツッコミで笑いを取る同級生の姿を見て、たぶん、「かっこいい」「真似してみたい」と思ったのじゃないかな?

 小さい頃、周囲がドッと笑うとか、えーっ!とどよめくとか、大きな反応があればあるほど、テンションがあがっていたまぼ。アンパンマンよりもバイキンマン、ドラえもんよりもジャイアン。より、周囲の反応が派手なほうに惹かれてしまうのよね。だから今回も「死んじゃったりしてね」「えー?何それー!(ドッと笑いが起こる)」という反応を期待していたのだと思う。

 「いい冗談と悪い冗談があってね、それが現実になったら怖いことや、聞いたほうが嫌な気持ちになることは、冗談でも言ってはいけないんだよ。」「でも、みんなだってバカとか死ねとかすぐ言うよ。」ムムム。悲しいことに、それも今の子供社会の現実だ。今まではその手の言葉にまぼがいちいち傷ついたり、はたまた逆上して言い争ったりする場面が多くて、気にしないのがいちばん!という話をしてきた。矛盾してるよねえ。

 そばで聞いていたあーちゃんが、「意地悪で言ってるか冗談で言ってるか、顔を見ればわかるんだよ。」と助け船を出してくれたので、みんなで読み取りポイントを探ってみることにした。まぼと暮らしてきて、スペクトラムっ子は相手の気持ちがわからないなんてことは絶対にない!!!と確信している。視覚的な情報は‘木を見て森を見ず’の傾向があるけど、感覚的な情報は‘森を感じて木が見えず’という状態なんじゃないかな。人一倍感じすぎて、大量の情報を処理できずに戸惑っている感じ。だからまぼの場合、「たぶんそのモヤモヤはこれが原因じゃないかな?」とか、「きっとその違和感はここじゃない?」ってポイントを探っていくと、案外楽しくスッキリできることが多かったんだよね。

プロフィール

じゅん

色とりどりな中2の3つ子と家族5人で、愛知県に生息中。
アスペッ子なまぼ、天然なあーちゃん、重度の知的障害&コテコテの自閉症のたんたんとともに、笑ったり、ずっこけたり、たまにへこんだりしながら、マイペースに暮らしてます♪

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著書

発達障害のある子の
こころを育てる
じゅん/著
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