第8回 ともだち (1/2)
【友達】互いに心を許し合って、対等に交わっている人。一緒に遊んだりしゃべったりする親しい人。*goo辞書より
小学校に入学した子供に、大人があいさつ代わりに聞いてしまうことナンバーワンが、「お友達できた?」じゃないかな?
かくいうわたしも、まぼとあーちゃんが帰宅後に報告してくれる「今日のできごと」のなかで、何よりも心惹かれるのがお友達や先生の話題だった(中学生になった今でも同じかも)。
ところが、「今日は○○ちゃんとおしゃべりしたよ。」「××くんはお姉ちゃんがいるんだって」等、こちらが期待する情報を、期待通りに報告してくれるあーちゃんとちがって、まぼは「ぼくは全員と仲良くなった」「みんなと遊んだ」と涼しい顔。
「えー?さすがに全員ってことはないでしょ〜?その中でも特におしゃべりした子とかさ?」
と突っ込むと、
「名前なんて忘れちゃったもん。みんなと仲良くしたもん。」
と・・・。
ええっ?そういうこと?!
まぼの説明を聞いてピンときた。顔と名前が一致しないから、お友達みんな、ひとかたまりの集団としてしかとらえていないんだ!誰が誰やらわからないのに、毎日いろんな子と話したり遊んだり・・・そりゃ疲れるよねえ。初めての小学校生活で緊張しているのはみんないっしょなのだけど、まぼは誰よりも緊張して、誰よりも神経をすり減らしているんだろうなとしみじみ感じた発言だった。
そういえば先日あーちゃんが、クラスの男子に「まぼって元気?オレ、小1の時同じクラスでさ、いつもひとりで歌ったり、ピシュンピシュン(ヒーローごっこの効果音?)言って変わってたの、覚えてんだ。」と声をかけられたらしい。まぼにとってはひとかたまりの集団だったけど、あちらにとっては記憶に残るクラスメートだったみたい(笑)