第7回 障害児のきょうだい(2) (1/2)

前回、「次回は仲直り作戦を!」なんて書いてしまったけれど、考えてみたら「仲直り」だなんておこがましい言い方だったな〜と後から猛反省。ごめんね、あーちゃん。

 しかも、あの最初の爆発から1年後、忘れられない、というか、忘れちゃいけない第2の大爆発があったのでした(汗)結果的にはそのおかげで、今のわが家があるといっても過言ではないかも・・・。なので今回は、そんな大爆発パート2のお話です。


 ハラハラドキドキの小学校入学から、ひと月が過ぎた頃。まぼが思ったよりスムーズになじんでくれたなあとホッとしたのもつかのま、まさかのあーちゃんが「学校行かない」と言い出した!ええーっ?どうして?  理由を聞くと、「○○だから(←この○○は日替わりで一定しない)お母さんといっしょがいい」と。あぁ・・・2度目の‘しまった’。

 甘え不足。分離不安。障害児のきょうだいだから。「こうなってしまった理由」をあれこれ思い浮かべては、自分を責めて落ち込むわたしに、
 「やっと自分が甘えられる番が来たと思ってるだけよ」
 「抱っこして受け止めてあげれば大丈夫よ」
と、親身になってアドバイスしてくれる人もたくさんいた。

でも、その言葉がチクチクと胸に刺さって苦しくて。「そうだよね。受け止めてあげなくちゃね。」と反省しきりの陰で、「子どもを愛情不足にしてしまったなんて認めたくない」という邪な思いがあったのだと思う。今なら、あのときかけてもらった言葉にこめられた、「きっと一過性のものだから大丈夫よ」という思いやりを感じることができるのだけど、自己嫌悪に陥っていたわたしの心には、「あなたが受け止めてあげないからこうなったのよ」という責め言葉にしか聞こえなかった。人間の心って、ちょっとフォーカスする部分を変えるだけで、ずいぶんと感じ方が違ってしまうものなんだなあ。

 困ったときの神頼み、じゃないけど、困ったときの紙頼みで、考えがまとまらないときは、とりあえず紙に書き出してみるのがわたし流。わたしはなんでこんなに自己嫌悪に陥ってるんだろ?お母さんといっしょにいたいと言うあーちゃんの本心はどこ?自ら学校に行きたいというまで家にいる?付き添い登校だったら?その場合のメリットとデメリットは?

 けっきょく、自己嫌悪に陥るのは自分がかわいいから。あーちゃんは安心を求めているだけ。書き出してはっきりしたのは、この2つだった。だったら今、最優先したいことは、あーちゃんを安心させてあげることだよね?

 数週間かかるか、数ヶ月かかるかわからないけど、中途半端になだめすかして登校させるくらいなら、あーちゃんの思いにとことんつきあってみよう、あんなこともあったね〜と笑えるくらい、楽しい思い出にしちゃおうと、まずは付き添い登校からはじめてみることにした。

プロフィール

じゅん

色とりどりな中2の3つ子と家族5人で、愛知県に生息中。
アスペッ子なまぼ、天然なあーちゃん、重度の知的障害&コテコテの自閉症のたんたんとともに、笑ったり、ずっこけたり、たまにへこんだりしながら、マイペースに暮らしてます♪

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著書

発達障害のある子の
こころを育てる
じゅん/著
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